武道の教え「守破離」がもたらした、インドへの新たな挑戦

寉田彰吾さんは、日本の大手バッテリーメーカー GSユアサで11年間勤務し、開発研究から量産まで幅広く経験されてきました。その後テラモーターズに入社し、サステナブルな技術開発の要として、現在はEV電池開発部の開発を務めています。インドに、そしてテラモーターズにどのようなポテンシャルを見出し、新たな挑戦に臨んだのでしょうか。

ここでは、寉田彰吾さんのインタビュー動画およびスピーチ全文を紹介します。

0:00 オープニング
0:09 大企業からグローバルベンチャー、テラモーターズへ
2:40 世の中の役にたつ仕事で サステナブルな製品開発を
3:49 インドEV産業におけるEV充電の現状
5:10 日本人とインド人による技術開発を実現
6:09 日印共創で、インドの EV産業を世界の中心へ

Interview for Mr. Shogo Tsuruta (寉田彰吾), R&D | Terra Motors

大企業からグローバルベンチャー、テラモーターズへ

工業高校専門学校っていうエンジニアリングの学校に通ってまして、九州で二十歳まで過ごしてました。3年次編入という形で京都の大学に編入しまして、そこで大学院のマスターコースまで学業に専念し、その後、GSユアサというバッテリーのメーカーに入りました。そこから11年、バッテリーメーカーで勤務をしまして、テラモーターズに今年の9月から入社しました。

GSユアサでは、開発業務がメインでした。機械関係ですね。メカニカルなところが専門領域でして、その中で、開発部門が研究要素のことをやったりして。

前職では、色々なことを経験させてもらって開発や研究みたいな初期のところから、量産まで携わらせてもらって、かつバッテリーというところでセルであったり基盤であったりっていうところにも深く携わらせてもらったので、幅広いことを経験させてもらいました。

(テラモーターズでは)バッテリー全体でセルという単電池みたいな、乾電池とかでよく使われてますけど、ああいう一つの電池の部分だったり、それを収納するパッケージだったり、車での使われ方だったり、そういうところのエキスパートという位置づけです。

もともと、人生で一回は転職したいというのがありました。企業文化も一つの中で過ごすより、人生長いので、複数の文化圏で仕事したいなというのはあったと。その時にどうせやるならベンチャーとかそういう所で、権限が多く与えられるところでやりたいなというのがありました。

私が、もともと剣道とかをやっていて、武道の教えで「守破離(しゅはり)」という言葉があって、守るっていう”守(しゅ)”と、破るっていう”破(は)”と、離れるっていう”離(り)”で構成されていて。

まず物事を守って教えの通りにやる。それを自分のオリジナルを作って、要は破っていう壊すんですかね、その後、離れて自分でやっていくみたいな言葉があるんで、そういう風な感覚からも、もう(大企業で)10年くらいやってましたんで、自分で新しくやっていくにはいい時期かなっていうのはあったと思いますね。

世の中の役に立つ仕事で、サステナブルな製品開発を

サステナブルだったりSDGsと言われてるところの、もっと前の段階である、低環境負荷というかリサイクルだったりみたいな意識はもともとあったと思うんですね。そういった中で、働くなら世の中の役にたつ仕事がいいよね、環境に対して負荷が少ないような製品が作れたほうがいいよね、っていう感覚はありましたね。

リチウムイオン電池っていうのはコモディティ化というか、普遍的なものになってきてまして、いろんな製品に使われてますし、安全に使えてるという実績もでてきたと思います。その中で、コストで合ったりエネルギー密度っていう、もうちょっとエネルギーが同じ重さだったりとか、体積に蓄えられたほうがいいよねっていうところでも研究開発が進んでて、全固体電池だったりとか、違うポストリチウムっていうような、リチウムイオン電池の次みたいなものも研究されています。それ(電池技術の発展)によって、世の中が大きく変わるような環境になってきてますので、非常に注目を浴びてる状況なのかなとは思います。

ンドEV産業におけるEV充電の現状

インド自体でリチウムイオン電池が多く作られてるわけではないですし、ほとんど中国からの輸入品ですから、そういった意味ではまだ産業としては浅いのかなと。だからこそ、インド政府自体もEV化を、環境や、空気(大気汚染)の改善策としてEV化を推進していますし、そこで電池というキーデバイスを(インド国内で)内製できないかなっていうところから、助成金の対象としてリチウム電池を、という話をされてますので、これからインドの国内でも産業として伸びるのかなという気はしますね。

リチウムイオン電池って、一つのセルっていう一つの電池であったり、BMSっていう基盤であったり、ハウジングの樹脂材だったり金属材などの複雑な部品供給によるサプライチェーン(構築)が、アッセンブリを作る上で必要不可欠です。

サプライヤーさんとの関係構築というのも非常に重要になりますし、そういったものの体制づくりだったり、我々がインドのマーケットに求められるバッテリーっていうのをどういう風に作っているかっていうのも、今まさに始めた段階です。こういうコンセプトのところから始まって、部品供給だったりっていうのが、来年、再来年とかに出来上がってくると思います。

本人とインド人による技術開発を実現

依頼した内容がちゃんとしてるというか、明確に数字とかで設定されてるとそこに対してしっかりやって頂けるんですよ。だから技術的に劣ってるというよりは、インプットやアウトプットをどういう形でお願いできるかで、やりきる力自体はインドの方々も十分持たれてると思っています。

サプライチェーンの下流部品とかも含めて、コンセンサスがとれるかっていうところが非常に大事ですし、それもやれるポテンシャルは十分あると思うんですよ。インドの方たちと話していても、非常にシンプルで、数字を使って話したりとかできますので。こちらが合理的に説明すれば大体やってもらえるんですよね。これから産業を生み出す土壌としてはあるのかなと思いますね。

印共創で、インドEV産業を世界の中心へ

インドはという非常に多様な文化、といいますか価値観を持ったたれた国で、かつマーケットも非常に大きいというのが特徴です。そこへ世界の流れで、電動化だったりサステナブルを実現するっていうところに携われるので、非常にやりがいがありますし、いい経験が得られるかなと思います。

その中で私も、前職で培った電池っていうキーデバイスのノウハウを持ってインド社会に対して貢献していきたいなと思いますし、先ほど話に出たサプライチェーンっていのが非常に重要になりますから、そこに対して日本で培った文化なのか、品質についての考え方みたいなのを反映させていって、今は中国が世界の工場みたいな位置づけになってますけど、インドも十分にそのポテンシャルはあると思うので、将来、インドが世界の工場になって、インド拠点で世界に色々なものを輸出したりとか、そこを通じて他の国でもビジネスとしてやっていけるみたいなとこを、自社でもやっていきたいなっていうのはありますね。


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